はやぶさ2「完璧だ。おめでとう」 喜びに沸く管制室

 「完璧な数字だ。分離したと判断できる。おめでとう」
 探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの試料が入ったとみられるカプセルの分離に成功した5日午後2時半すぎ、相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の管制室で、機体から届くデータを確認していた責任者の津田雄一プロジェクトマネージャはメンバーにこう呼びかけ、拳を突き上げてガッツポーズをした。
【イラスト】はやぶさ2が持ち帰る「お宝」
 管制室では同日午前11時すぎから、カプセル分離に向けた最終作業が始まった。予定時間が近づくにつれて、飛行データなどが時々刻々と表示されるモニターを見つめるメンバーの表情は厳しくなり、口数も減った。
 分離の約3分前、機体とカプセルを結び付ける「へその緒」の役割を果たすバンドが切られると、津田氏は「ああ、切れた」とポツリ。他のメンバーは「もう戻れない」と漏らし、緊張感がさらに高まった。
 午後2時半、予定通りに分離の操作を行う信号が機体に送られた。だが、分離が成功したかどうかは、機体から届く姿勢などのデータを分析する必要があり、すぐには分からない。
 管制室内はしばらく静寂が続いたが、数分後、メンバーの1人が「データが来たぞ」と声を上げた。次々とデータの確認が進み、津田氏が分離成功を宣言すると、管制室内に拍手と歓声が満ちあふれ、メンバーは腕をぶつけ合うなどして喜び合った。

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