受難のコアラ6万匹超 豪の大規模森林火災 WWF

 【シドニー時事】世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部は7日、今年2月ごろまで半年間続いた豪州の大規模森林火災によって、死んだり、けがをしたりするなど何らかの影響を受けたコアラが6万匹を超えると発表した。
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 地域別では、「動物の楽園」と呼ばれる南オーストラリア州カンガルー島が、4万1000匹超と最大。次いでビクトリア州が1万1000匹超、ニューサウスウェールズ州が約8000匹、クイーンズランド州が約900匹と続いた。
 コアラは火災前から、森林伐採などによって一部地域で生息数が急減していた。WWFの担当者は「深く憂慮すべき数だ」と指摘。ドローンでえさとなるユーカリの種をまいたり、土地の所有者に安全な避難先をつくるよう促すための基金を創設したりすることで、2050年までに豪東部地域で生息数を2倍に増やす計画だ。
 森林火災をめぐっては、ニューサウスウェールズ州議会の調査委員会が6月、コアラ生息地の2割以上が深刻な打撃を受けたとして、政府が介入しなければ50年までに州内から野生のコアラがいなくなると警告した。 

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